子ども第一ではなく家族第一 (From 家族力―「いい親」が子どもをダメにする)

11月 30th, 2006

407248556X 家族力―「いい親」が子どもをダメにする
ジョン ロズモンド John Rosemond 大沢 章子
主婦の友社 2006-08

by G-Tools

こどものために尽くすことが、かえって子供のためにはならないってことを、これでもかこれでもか!と教えてくれる本。

第一章のテーマ「子ども第一ではなく家族第一(何が一番かをはっきりさせる)」なんてのは、いじめやニート、パラサイトに少子化まで、まさに今の日本の諸問題の原点にあてはまる処方箋だと思う。 

結婚とは何か、家族とは何か

現代の子どもたちは、夫と妻という関係を放棄し、父親と母親になりきって子供に尽くす両親のおかげで、こどもたちは結婚とは何か、家族とは何かということを学ぶ機会を失っています。

親子関係を中心にするあまり、子供が巣立てない。そもそも子供たちが良い夫婦関係を知らないので、結婚したい!とか家族を持ちたい!なんて思えず、ニート、パラサイトを続けてしまうのか。

自分も所帯持ちだけど、こんな夫婦になりたいなぁっいう原体験って自分の両親のような気がする。時にはどなったりモノを投げたりしてたけど、両親は仲が良かった。夜中に仕事に出かける父の弁当用意して、出発前にコーヒーを入れていた母。たしかその晩に大ゲンカしてたような気がしたけど、ちゃんとそういうのはしてたなあ。

兄弟3人だったので結構自分でやることはやらなきゃって感じだった。決してこども中心の家庭ってわけではなかったな。ちょいと早く亡くなってしまった母だけど、でも子供心にも父と母は本当に仲が良かったなあってものごころついたときから思ってた。

自分の存在は、両親の幸福とは無関係で、両親の幸福はその結婚生活の中にあると知ることによって、子どもたちは何の迷いもなく、自由に自分の人生の一歩を踏み出すことができるのです。

物分りいい親でいいの?

こんな記事もタイミングよくみかけた。

子供が高額なものを欲しがったら、8割近くの親は「買い与える」。化粧をしたいといったら、約4割は「学校が休みのときならいい」などの理由で許可する
“物分かりいい親”でいいの?今どきの親子関係-ライフニュース:イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/life/children/29500/

まさに子供に尽くす親の姿が目に浮かぶ。我慢を身をもって教える。ダメなものはダメだという。それが言えない。これでは将来、子どもたちは親元を離れようとしないだろうし、離れても自立した家庭を作れないんだろうなと思う。

では、どんな風にこどもに接したらいいのか。その具体例がこの本には続く。習い事は必要ないとか、父親のかかわりかたとか、しつけとはコミュニケーションだとか。そのひとつひとつも考えさせられたので、機会があればエントリをわけてまた今度。

とにかくこの本を通して作者が言いたいことは、子育ての目標は「子供を幸せにすること」ではなく、「礼儀正しい立派な大人に育てること」だということ。そのために親は子供に擦り寄っていかず、親としての立ち位置を守る。それは実は自分達の親の姿に他ならないってことだ。

ここまで今風の育児教育論をぶった切ると、それはとっても気持ちいい!

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カテゴリー: こどもの教育, 育児

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