iTunes Storeで買った曲を校内放送してもいいの？ってジャスラックに聞いてみた

9月 2nd, 2012

校内放送でＣＤをそのまま流すなら著作権の例外規定で問題はありません。でもiTunes Storeで買ったデジタルデータしかなくＣＤがない場合、これを校内放送するのはいいの？放送委員の娘ＤＪに質問されたので調べてみました。結果はちょっとややこしいことに…。

Ipod Video

校内放送の著作権ルール

著作権法第３８条に非営利で料金をとらなければ放送してもよいとあります。それをうけてジャスラックでは「学校で音楽を使うときには」というガイドラインを発表しています。

校内放送でテレビ、ラジオ、CDをそのまま流す場合には、著作権の手続きは必要ありません。ただし、視聴覚用のライブラリーにする目的でテレビ番組をビデオに録画したり、CDからＭＤにダビングする場合には、テレビ局、レコード会社、ＪＡＳＲＡＣなどへの手続きが必要になります。
ジャスラの音楽著作権レポート（JASRAC PARK）

放送委員の子供は学校から「校内放送で曲をかける場合は買ったＣＤにするように」「ＣＤ－Ｒに書き込んだＣＤはダメ」といわれています。きちんとした運用をしていますね。

でも最近はＣＤを買わず、iTunes Store で曲を直接購入することも多くなってきました。こうしたデジタルデータで購入し、手元にＣＤがない場合、iPhoneやiPod touchやiTunesの入ったPCで、校内放送を流してもいいのでしょうか？

ジャスラックにきいてみた

上記の学校での音楽利用に関するガイドラインをもとに、電話でジャスラックに質問してみました。結論は以下のとおり。

購入した曲を購入した端末からそのまま再生するのは、ＣＤに準ずると判断される。
ただし曲の販売者の規約規約上で個人利用に限られていないか、校内放送してもよいか別途確認して欲しい。

ＣＤをそのまま流すのならＯＫという校内放送のルールをもとに、iTunes Storeで購入した曲もＣＤに準ずるとの判断でした。もちろん購入した曲をiPhoneやiPod touchから直接再生することが前提です。プレイリストを作ってＣＤにコピーしたものは、上記ルールにはあてはまらないというのはＣＤに対する判断と同じです。

これだけならば、iTunes Storeで購入した曲も校内放送に使用しても問題ないでしょう。しかしそもそも販売している販売者側の規約がによって、その曲を利用してもよいのかどうかも確認必要でした。これは気づかなかった。

著作権のある曲を校内放送で使用するにあたっての判断はこれまでのようにジャスラックで解釈できます。しかしiTunes Storeで買った曲を校内放送で使用してもいいかどうかの判断はジャスラック側ではできず、これは販売者側の判断によるわけですね。

iTunes Storeにきいてみた

ということでAppleのiTunes Storeにききました。結論は以下のとおり。

iTunes Storeの規約に基づき、使用者が判断する。
iTunes Store チームでは、アカウント、購入商品のダウンロード、請求などの問い合わせに回答。コメントを控える。
iTunes Storeの規約に疑問があれば、法律の専門家に相談し、アップルの総務部に連絡とってもらう。
Apple – サポート – 確認内容の選択

つまり校内放送でかけてもよいかどうかは、規約に基づいてユーザーが判断してね！ということでした。むむむ。

iTUNES STORE サービス規約
利用ルール
(i) お客様には、個人的、非商用目的に限って本iTunes商品を利用される権限が与えられるものとします。

サービス規約を読んでの自分なりの判断です。

非商用目的ではないので校内放送での使用は問題なし。これはジャスラックのガイドラインと同様に判断します。

個人的かどうかをどう判断するか。そのままの言葉で考えれば、校内のみんなが聞くわけなので個人的利用とはいえないかもしれません。

個人的利用に近い言葉で、著作権を語る上でよくでてくる私的利用におきかえて考えてみると少しかわってきます。自分自身や家族など限られた範囲内での使用は私的利用の範囲といわれます。限られた範囲を閉ざされた学校も含めるとすれば、これは私的利用であり、個人的な使用とも考えられます。

さてどちらが正しいのでしょうか。正直なところ、アップル iTunes Storeとしては、とやかく言わないよ！ってのが本当のところなんでしょうね。

ということで、iTunes Storeで購入した曲をコピーせずそのまま使用するのであれば、校内放送してもよい、と私は判断しました。

Moraにもきいてみた

同じデジタル音楽を販売しているMoraはどうなんだろうと確認してみた。結論は以下のとおり。

ヘルプデスクで詳細を調べるから、しばらく待ってくださいね！

回答をお待ちしています…。

まとめ

iTunes Storeで購入した曲は、コピーせずそのまま流すのであれば、校内放送に使用してもかまわない（と思われる…）。

最後に

私は法律の専門家ではありません。この記事は、今わかっている情報や回答、解釈で私が判断したものです。強引で間違った解釈かもしれませんので、詳しい方がいらっしゃればご指導いただけるとうれしいです。

ということで、娘の質問にたんを発した夏の自由研究終了です。。。

こぼれ話

規約に載っていた問い合わせ電話番号、これつながりませんでした。2009年9月に電話サポートは終了とのこと。載せておくなって…。AppleのiTunesホームページ経由で質問、回答は４８時間以内とのこと。３６時間ほどでメールで回答いただけました。

iTunesサービスを利用できるのは規約で１３歳以上に限られます。なので小学生が自分で買った曲を…とはいえませんね。また１３歳以上でも２０歳未満の場合には親または後見人と規約をみて確認、理解したうえで使用するようにともあります。校内放送してもいいかどうかも、親が理解していないとダメなわけですね。

とはいえiPhoneやiPod touchを校内放送で流すにはケーブルが必要です。ヘッドフォン端子またはドッグから校内放送機器の外部入力に接続するケーブルですね。これが学校にあるのかどうか。そして用意したとしても接続して放送することができるかどうか、例えば音量調節とか。ＣＤプレイヤーなら接続されてるとは思いますが、外部入力には対応させてなさそうな気もします。こういうあたらしいことって学校ではちゃんとやってくれるのかなって思いました。